電気亜鉛メッキと溶融亜鉛メッキの違い

溶融亜鉛メッキ(ドブ漬け)と電気亜鉛メッキは、名前は似ていますが、外観・特徴・用途が大きく異なります。本記事では、2つのメッキの違いと使い分け、電気亜鉛メッキの種類、選ぶ際の注意点を、特注金物の製作実績が多数ある「電設資材・金物製作.com」が解説します。

この記事のポイント
  • 溶融亜鉛メッキは、溶けた亜鉛の槽に漬けて厚い亜鉛の層をつくる方法です。耐候性が高く、屋外・大型の金物に向いています。
  • 電気亜鉛メッキは、電気分解で亜鉛を薄く積み重ねる方法です。変形しにくく、屋内・小型の金物に向いています。
  • 屋外で耐食性が必要な場合は、溶融亜鉛メッキ(あるいはZAM・SUS)を選びます。
  • 溶融亜鉛メッキの工程は、小さなものなら翌日仕上がり、長尺・大型品では4〜5日が目安です。

溶融亜鉛メッキと電気亜鉛メッキの仕組み

溶融亜鉛メッキとは、ドブ漬けメッキとも呼ばれ、高温で溶けた亜鉛の槽に対象物を漬け込むことで、表面に亜鉛の層をつくる方法です。
電気亜鉛メッキとは、亜鉛液に電気を通して電気分解し、原子レベルで対象物にメッキを積み重ねる方法です。
溶融亜鉛メッキと電気亜鉛メッキ

溶融亜鉛メッキの亜鉛の層は鉄と強固に合金化されているため剥離しにくく、傷がついて鉄が露出しても、周囲の亜鉛が先に腐食して鉄を守る「犠牲防食作用」が働きます。そのため、屋外や沿岸部、湿気の多い地下などでも、長期間にわたって錆の発生を抑えることができます。

外観・特徴・用途の違い

項目 溶融亜鉛メッキ(ドブ漬け) 電気亜鉛メッキ
外観 やや表面がざらざらしている やや表面がツルツルしている
特徴 耐候性が高い。薄物では歪みが発生し、膜厚が増加する 耐候性は劣る。膜厚が薄く変形しにくい
用途 屋外向け。プルボックス・架台など比較的大型の金物 屋内向け。ビスなど比較的小型の金物

混同に注意

2つはよく混同されますが、外観・特徴・用途は大きく異なります。例えば、ハンガーレールなどで「電気亜鉛メッキ」と表記があるものは、ドブ漬けの商品ではありません。耐食性が必要な場合は、溶融亜鉛メッキ(あるいはZAM・SUS)にする必要があります。

また、ドブ漬けの架台を取り付けるボルトには、基本的にドブ漬けのボルトを使用します。ステンレスも耐食性は高いのですが、電蝕が発生する可能性を考慮すると、ドブ漬けのボルトがベストです。

電気亜鉛メッキの種類

電気亜鉛メッキにも様々な種類があり、代表的なものにユニクロメッキとクロームメッキがあります(近年は三価クロムメッキが増えてきています)。

ユニクロメッキとクロームメッキ
種類 外観 特徴・用途
ユニクロメッキ 表面はツルツルだが、クロームメッキほどではない。青みがかった銀色 亜鉛めっきの後に光沢クロメート処理を施したもの。見た目が美しく安価で、湿気の少ない屋内用金物の防錆処理として普及。鉄に対して使用
クロームメッキ 表面がツルツル・キラキラで意匠性が高い ニッケルメッキ・スズメッキと比較して耐摩耗性が高い。銅に対して使用(アースフックなど)

ユニクロメッキは鉄に、クロームメッキは銅に使用する点がポイントです。どちらも屋内での使用が基本で、より強力な防錆が必要な屋外では溶融亜鉛メッキが推奨されます。

データセンターでは「ウィスカ」に注意

ウィスカとは、ユニクロめっきやクロメート仕上げなどの電気亜鉛めっき仕上げ品から自然発生し、成長するヒゲ状の単結晶です。めっき処理後2年以上たつと、部材に残っている応力によって押し出されるように成長します。

導電性をもつウィスカがサーバールームやデータセンター、コンピュータ室などで浮遊し、機器の中に入り込むと、プリント基板や端子部分で電気的な短絡が起こることがあります。

  • 新設の場合は、ウィスカの発生しない部材を使用します(溶融亜鉛メッキ・ジオメット・ZAM等の表面処理材、SUS材、塗装された部材など)
  • 電気亜鉛メッキの上に塗装した部材は不可です(ウィスカが塗膜を破って成長するため)
  • 既設の場合は、電気亜鉛メッキをした部材の交換、一時的には清掃でウィスカを取り除いて対応します

詳しくは電設資材・金物製作.comのウィスカ対策をご覧ください。

溶融亜鉛メッキの納期の目安

製作品 溶融亜鉛メッキの目安
小さなもの 翌日仕上がりになることもあります(例:直材であれば2m〜2.5mまで)
長尺・大型の製作品 溶融亜鉛メッキだけで4〜5日
大型の製缶品 歪みが出る懸念があるため、ドブ漬けだけで4〜5日みておく必要があります

納期を短縮するには、ドブ材を使用する、別の塗装を選択する、ZAM材で製作するなどの方法があります。ZAM材は製作完了と同時に高い防錆性能が確保されているため、めっき工程分の納期を短縮できます。詳しくは溶融亜鉛メッキの納期の目安、ZAMとはなにか?をご覧ください。

溶融亜鉛メッキの製作事例

溶融亜鉛メッキ国交省仕様プルボックス

溶融亜鉛メッキ国交省仕様プルボックス
サイズ
2.3t×150×150×100
材質
SPC
表面処理
溶融亜鉛メッキ
納期
1週間
数量
11台

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耐風・積雪仕様 パワコン架台(PCS架台)

耐風・積雪仕様 パワコン架台(PCS架台)
サイズ
1300×1900×800
材質
SS400
表面処理
溶融亜鉛メッキ
納期
2〜3週間
数量
2組

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分割式PCS架台(ドブ角パイプ+ZAM)

分割式PCS架台(ドブ角パイプ+ZAM)
サイズ
1,610×1,551×3,350
材質
SS400
表面処理
溶融亜鉛メッキ
納期
実働10〜12日
数量
15個

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地上設置型 パワコン架台(特注PCS架台)

地上設置型 パワコン架台(特注PCS架台)
サイズ
900×9,950
材質
SS400
表面処理
溶融亜鉛メッキ
納期
2〜3週間
数量
1組

詳細を見る ›

製作実績一覧を見る ›

メッキのよくある質問

ドブ漬け(溶融亜鉛めっき)は、なぜ防錆力が高いのですか?
鉄の表面に厚い亜鉛の層を形成し、その層が鉄と強固に合金化されているため剥離しにくいからです。傷がついて鉄が露出しても、周囲の亜鉛が先に腐食して鉄を守る犠牲防食作用が働きます。回答の全文
ユニクロめっきと電気亜鉛めっきの違いは何ですか?
電気亜鉛めっきは「めっき」、ユニクロめっきは亜鉛めっきの後に光沢クロメート処理を施した「化成処理」という違いがあります。どちらも屋内での使用が基本です。回答の全文
ドブ漬けの架台を取り付けるボルトは何がいいですか?
基本的にドブ漬けのボルトを使用します。ステンレスも耐食性は高いのですが、電蝕が発生する可能性を考慮すると、ドブ漬けのボルトがベストです。回答の全文
製作後のめっきや塗装までお願いできますか?
可能です。焼付塗装・溶融亜鉛メッキ・ヘアーライン加工などの表面処理も一括してお任せください。回答の全文
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山内商事株式会社 山内 太郎 営業部長

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主にユーザー様を対象に電設工具・資材の販売・製作を行っております。過去30年以上にわたり、架台・プルボックス・ワイヤリングダクト・貫通枠・化粧プレート・アンカーボルト・縞板・銅バーなど、電気工事・設備工事業者様向けに年2,500種類以上の現場金物製作実績がございます。

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