プルボックス・チャンネルベース・アングル架台などの設計・製作
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プルボックスは防錆としてSUS材やZAM、錆止め塗装など様々な対策があります。溶融亜鉛めっきはそのような防錆処理の一つになります。
どのような基準でこの中から選定すればいいのかというと、
「耐食性」・「コスト」の2つを基準にするとよいでしょう。
耐食性の性能は以下のようになっています。
SUS > ZAM > 溶融亜鉛メッキ > 錆止塗装
SUS材の耐食性は非常に高いのが特徴ですが、その代わりコストも高くなってしまいがちです。プルボックスの場合、一般的には他の防錆処理に比べて3割高と言われています。
そのため、環境・耐用年数を考えてどれくらいの耐食性が必要になるかによってどの程度の耐食性が必要になるかという視点が必要になります。
溶融亜鉛めっきはコストと耐食性のバランスが良いのですが、この溶融亜鉛めっきにはランクがあることをご存知でしょうか?
HDZ35、HDZ45、HDZ55という3つのランクがあり、末尾の数字が大きいほど溶融亜鉛の含有量が大きくなります。
溶融亜鉛めっきはプルボックス以外にも架台やボルトなどにも用いられ、架台ではHDZ55、ボルトではHDZ35、そしてプルボックスではHDZ45のランクが一般的です。
なぜこのように製品の種類によって溶融亜鉛めっきのランクが分けられるかというと、それぞれの製品に肉厚が関係してきます。
製品の肉厚に対して溶融亜鉛の含有量が大きくなりすぎると曲がって変形してしまいます。
プルボックスの肉厚はSPC2.3,SPC3.2のものがほとんどのため、HDZ55の溶融亜鉛めっきを施すと変形が生じてしまいます。また、HDZ35のように付着する溶融亜鉛が少なすぎると期待通りの耐食性が得られません。そのため、HDZ45がプルボックスの溶融亜鉛めっきの一般的なランクになるのです。
また、溶融亜鉛めっきにはめっき事業者が作成してくれる試験成績書があるのですが、これが何の成績かというと、溶融亜鉛の付着量についての成績なのです。
溶融亜鉛めっきは別名ドブ漬けと呼ばれるように、溶融亜鉛の水槽にプルボックスやボルトなどの製品を漬けることでめっき処理を施していきます。
このときに溶融亜鉛の付着量についての試験ができるのですが、亜鉛が溶けていないと試験ができず、このドブ漬け作業の後で付着量を試験することはできません。
もし、試験成績書を出してほしいというときは、必ずその旨をめっき処理の前に伝えてくださいますようお気を付けください。
「溶融亜鉛めっき処理をしたプルボックスの製作を依頼したい場合」、「どの防錆処理を使用すればいいか分からない場合」もぜひご相談ください。